お花見大作戦!〜なんとかレンジャーサイド
「なんなんだよ、その格好!」
なんとかレッドは叫んだ。
「何って・・・花見だろ?」
なんとかイエローの手には、すでにチューハイの缶が握られている。
ここは佐々木公園。満開の桜の下は花見客で賑わっている。
「花見じゃない! パトロールだ! 暴徒鎮圧喧嘩上等!!」
漢字に疎いくせに、なぜこういう熟語は言えるのだろうか。
「パトロール? 貴重な休日に人を呼び出しておいて、パトロール…? 馬鹿らしい。私は帰りますよ」
さっさと帰路に着こうとするブルーの服の裾を掴んだのは、なんとかイエロー。
「えー、帰んの? 花見しよー。ツマミ、色々作ってきたしー」
「尚更帰りたくなりました」
「だから花見じゃなくてヒーローパトロールだ!」
憤る、なんとかレッドを、なんとかグリーンは申し訳なさそうに見上げた。
レジャーシートに、重箱に、クーラーボックスと、彼の装備品は完全にお花見モード。
「お花見じゃないみたい。ごめんね、ブラック。手伝ってもらったのに」
グリーンと同じ賃貸マンションに住むブラックは、なんとかグリーン一人では持ちきれない荷物を一緒に持ってやっていた。
「いーじゃん。騒動が起こるまでは宴会してても。せっかくの桜に失礼だろ?」
「? そうか、失礼か。じゃあ、そうすっか」
なんとかイエローの言葉に首を捻りつつも素直にうなづく、なんとかレッド。花見というのが何なのか、分かっていないのかも知れない。
「やった! 宴会だ!!」
なんとかイエローと、なんとかグリーンは同時にガッツポーズをした。
「仕方ないですね…」
「ブルーも、残ってくれるの?」
「監視ですよ。馬鹿どもの。」
悪意も見せずにさらりと言ってのけるブルーに、なんとかグリーンは絶句した。