お花見だけど花より団子(?)

 

「どうしたピンク?」

ドラリンはピンクの目線の先を追う。

「やっぱりグリーン君だわ! お〜い、なになにメンバー!」

「グリーンて、僕?」

ホンゲダグリーンこと広河光はピンクに問う。

「違う違う、ほらあの子達よ」

ピンクの声に気付いたのか、なんとかレッド・イエロー・グリーンがホンゲダメンバーに駆け寄る。

「あ〜! 皆、久しぶりさー!」

ホンゲダイエローは嬉しそうに、もう一人のイエローと手を叩き合う。

「元気してたか兄弟!!」

なんとかレッドは同じ色であり、リーダーであるホンゲダレッドに抱きつく。

「ああ元気…ぐぉぐるじ…!!」

馬鹿力な、なんとかレッドによって締め殺されそうになったホンゲダレッドだが、なんとかレッドが崩れるように倒れたため命拾いした。

「レッドに抱きつくなんて100億年早い!」

なんとかレッドの秘孔を突き言い捨てたピンクの顔は般若そのものだ。

「ややこしい…」

ドラリンはピンクの言ったレッドが、どっちのレッドのことなのか一瞬混乱した。

「色名のダブリが三人いますから分かりづらいですね」

ドラリンの台詞にホワイトが同意する。

「レッドとイエローとグリーンは共通なんですね」

ブルーは信号色だな…と人知れず笑った。

「呼ぶ時に「ホ」と「な」を付けるか? ホレッド、なレッド」

「ホイエロー、なイエロー?」

ドラリンに倣い、ピンクが試しに口に出してみる。

「ホグリーン、なグリーン…」

魔法学校や、今にも喧嘩を始めそうな呼び方だ…。ホワイトは泣きそうだった。

「別に名前で呼べばいいじゃないですか」

ブルーの提案に、皆一も二もなく賛同した。

 

 

「乾杯!!」

十一のコップが掲げられ、戦隊合同の宴会が始まった。

「このお酒美味しい!」

なんとかグリーンは顔を、ほんのり桜色に染めて笑顔で言う。

「あれ? 明美君、酒飲めないんじゃなかったのか?」

ドラリンは、なんとかグリーンが前に「酒は飲めない」と言っていたのを思い出していた。

「あ…あの時は一応勤務中かなと思ったんで…」

申し訳なさそうに言う、なんとかグリーンに、お姉様心をくすぐられたドラリンの目が怪しく光る。

「おやめなさい歩く犯罪」

ホワイトの言葉にドラリンは、つんのめった。

「失礼な!」

「痴女も痴漢も同じです」

ブルーの一言で、ドラリンは1×1=3なんだ…と遠くを見つめながら思った。

「右近君、明美君の様子が変じゃないかい?」

ホンゲダイエローは、なんとかグリーンの顔を覗き込む。焦点が合っておらず、目が濁っているような気さえする。

「本当だ。明美、大丈夫か?」

なんとかイエローが問うと。 

    

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