花より酒!酒池肉林!!

 

「あ・き・ひ・と〜あたしィ、酔っちゃった〜♪」

「嘘つけ。離れろ。下の名前で呼ぶな!」

「アハハハハ! ピンク、振られたな! オレの胸で泣いてもいいぞぉ!」

皆が盛り上がりまくる中、ホンゲダグリーンは少し気まずかった。

「……」

ちら、と隣に座しているブラックを見やる。

(この人全然喋んないし…何考えてんのか判んないし…)

視線に気付いたのか、彼はこちらを向いた。

「綺麗やのぅ」

「…は?」

突然の一言に、グリーンは驚いた。

「桜。見事なもんじゃけぇ」

「あ、あぁ…そうですね、ホント、綺麗だ。」

彼の淡々とした態度と無茶苦茶な方言のギャップに、ホンゲダグリーンは戸惑った。

「けったいやろ?言葉づかい。」

「どこの生まれなんですか?」

「子供ん頃、引越し繰り返しとってな。いろんな土地の方言が混ざってまった」

「だから普段喋らないんですか」

「訛りを出さんのは疲れるきに。…皆と飲むんは今日が初めてだでな。なんか、喋りとおなったっちゃよ」

そして酒の力もまた、彼を饒舌にしているのだろう。

「なんとかレンジャーで、飲み会とかやったこと無かったの?」

「レッドが何しだすかわからんて、ブルーが嫌がっただよ」

確かになぁ…と、グリーンはそちらのレッドを思い出す。

ここで、ブラックはあくびを一つ、かみ殺した。

「あかん。昨日寝んかったで眠うなってきてもた。ちょお、寝るわ」

言うと、木の幹にもたれ、彼は目を閉じた、が、すぐに目を開け、

「せや。グリーン…明美には絶対に酒飲ませたらあかんで」

「え?」

「前にいっぺんだけウチで酒飲んだとき…大変な…ことに…」

言い終わる前に、ブラックは睡魔に負けてしまった。

「え、ちょっと、土田さん!大変なことって何?!」

 

 

同時刻

 

 

「明美、大丈夫か?」

「あ゛ア?!」

半眼で睨みつける、なんとかグリーンに2人のイエローはたじろいだ。

「テメェに言われたかねぇよ。とんでもねぇ料理ばっか作りやがって。食材の無駄なんだよ。料理テロでもするつもりかよ、殺傷力十分だなァ、おい?」

なんとかグリーンは2人に詰め寄り、自分の頭を軽くつつきながら、

「お前こそ、ココ、大丈夫かぁ?!」

なんとかイエロー2人は今にも泣き出しそうな顔のまま硬直した。

なんとかグリーンは冷笑を浮かべると、立ち上がり、人ごみに紛れた。

こうして、暗黒神は解き放たれた…

    

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