破壊の果てに陽は落ちて
それからの事後処理が大変だった。
ホワイトの『毒舌補助眼鏡弐式』の長所モードを利用し、生存者・ホンゲダレッドとホワイトは、被害者たちを涙の淵から救出していった。
全ての救助作業が終わった時には、陽がとっぷりと暮れていた。
「ん〜…? ……そうか、花見…って、え?皆さん??」
最後に目を覚ました なんとかグリーンを、ホンゲダメンバー6人と、なんとかレンジャー4人は冷たい目で見下ろさざるを得なかった。
「あの…なにか、僕、しました…か?」
どうやら自分の凶行を覚えていないらしい彼に、皆は説明すべきか否か、ためらった。
不安げに皆の顔を見回す なんとかグリーンに、耳打ちしたのはブラック。
みるみるうちに なんとかグリーンの顔は青ざめ、
「すみませんでした!!」
勢いで転びそうになるほどに、頭を下げた。
「何でも、罰は受けます! 皆さんの気が済むまで、殴るなりしてください!!」
「罰ってもなぁ…」
ホンゲダレッドはじめ皆が困惑の色を示す。
「こんなことをしても、何も変わらないのはわかってます! でも、このままじゃ自分で自分を許せないんです!お願いします!!」
涙を流して必至に訴える、なんとかグリーンを見てドラリンは、い〜いことを思いついた。
「それならば明美」
「はい!」
ドラリンは鞄の中を探り、
「このセーラー服を着」
「よし! じゃあ俺のサブミッション技を喰らえ!!」
永遠の憧れの学生服を取り出す前に、ドラリンの声は、なんとかイエローにかき消された。
「どうだ、痛いかぁ?! 思い出すなァ…イタズラがバレると、いつもお母んが、こうやって技をかけてきたっけ…」
思い出にひたる、なんとかイエローの逆えび固めは容赦なかった。でも、その遠慮の無い痛みが、なんとかグリーンには嬉しかった。
その光景をドラリンは恨めしそうに見ていた。
「くそう…私のセーラー萌えプランが…まてよ? 寝技をかければ…今現在明美君のあーんなところやそーんなところを触りまくりやりまくり出血大サービス期間?!」
ドラリンの目が怪しく光り、
「明美! ミーの卍固めを…」
「やめろ変態」
「丸聞こえですよ」
ブルー・ホワイトの合体攻撃・クロスボンバーによってドラリンの思考は強制終了させられた。